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玄米茶の愚痴や、暇潰しの短編を書いたりするよ多分
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 そうそうこの作品、あまりに作者が適当に考えているためプロットがなかったのですが、いい加減それじゃ不味いと重い。大分肉付けしておきました、脊髄反射的な設定はなくなっているはずですよ。

多分ですけどね。

不動明王登場の回です。



ある伝説になった戦いがある、不動明王闘争。俺が生まれる四十年以上前の話だ。
その頃記憶によれば日本はまだ太平洋戦争なんてものをやらかしていた。能力者たちが血で血を洗う戦いをしていたと聞いている。
その中で勇名を馳せた存在がいる、六道大家と戦闘一族松永だ。彼らは常勝無敗だった、それに乗るように日本は局所的ではあるが勝利の報告が続いていたと言う。

それでも物量にはかなわなかったのだろう連合国に日本は降伏する事になる。
あの玉音放送である、だがこの時ある一つのポツダム宣言は行なわれてはいなかった。日本は無条件降伏を許されなかったのだ。
そして歴史書に残る事になるある政治闘争劇が行われる。それが面倒な事に当時は連合国側にいた最強の能力者である不動明王に勝利すれば無条件降伏を認めるというものだ。俺も教科書で何度も見たことのある、一般良識からはかけ離れた政治劇である。

だが六道大家の面子は全て彼女に既に敗北していた。松永は元々彼女を輩出した家であり彼女の強さをよく理解していた、それもわかっていながら六十人の松永戦闘者がこの当時彼女との戦いで焼滅させられている。日本国政府もこうなっては必死だった、一般の能力者からも公募をかけたのだ。かなりの人数が集まったものの、百対一だろうが千対一だろうが、不動明王の前には無意味であった。

この当時で不動明王と戦った日本人の戦闘能力者は六百万人を超えている。だがその一つたりともあの化け物を倒すことはできなかった。
不甲斐ないことこの上ない、命がけで戦った彼らに言うのもなんだが、家のバーさんで倒すことが出来たようなやつになんで苦労したのかいまだに疑問である。そして能力者の全てが負けたころの話だ、不動明王との最後の戦闘期限ギリギリの時だ。

愛国心とか関係なく、不動明王の顔がむかつくという理由でばーさんが戦いに参戦したのは。
不動明王も写島も所詮松永の分家だ、ただ変わっているところがあるなら一つは最強一つは最弱というレッテルを貼られていることぐらいだろうか。ある意味障害のライバルとなる事になる二人の体面はこの時だった。

ばーさんはあんな暑苦しい奴とは思っていなかったと、とてもうざそうに語ってくれた。

結果は連合国側にも予想外だっただろう。ばーさんが勝った、しかもその勝利の仕方自体が不動明王の自爆に近いものだったのだから驚きだ。まるっきり俺と同じ戦法でばーさんは勝利していた。
無駄に愛用しているキセルで煙をふかしながら、とても面倒くさそうによく言ったものである。

「無駄に真面目なやつはチョロイよあっしらの敵じゃないね」

と、そのあとに繋げたのは不真面目な奴でも変わりはし無いと言う自慢だった。
なんでかここ最近ばーさんの夢を見る所為で、こんな下らない歴史的を並べていた。それもこれもあの我が家のばーさんの大敵である、あの女がこの国に久しぶりに里帰りすることになったからだ。

自分の孫を引き連れて、いい加減に邪魔になったんだろうに明王の名を与えるとか言っていた。俺の予想じゃあ烏枢沙摩明王に成るんじゃないと踏んでいる。確か記憶じゃ日本名はアサヒだったか。絶対に俺があのババアの跡取りとなって勝負だとかいいかねないいやな予感がする。
それにそろそろあのババアの五大明王もでて来るらしい、巻き込まれないわけにはいかない気がする。俺らの家系はどうしようもなく巻き込まれる、まさにトラブルを吸い寄せるが如く。最近そのことを深く理解していた、認めたくは死ぬほど無いが。

そういえば聞いた話じゃ有望な奴がいて、八大明王とか言われてるんだったか。どちらにしろ迷惑な話だ。

「どうしましょう、私の家に不動明王が来てしまいます」
「ああそうですか、うちのばーさんに喧嘩売らなきゃどうでもいいや」

一人大慌ての戦闘狂、それと松永の跡取りもかなりやばいレベルで動揺している。
どうやらあのばばあと顔を合わせる機会でもあるのだろう。それは仕方ないか、なにしろあれも俺も元もは松永の出だ。写島は松永の失敗作、不動明王は松永の異端者だったか、戦後その関係は間違い無く一変したが。

「そう言う問題ではありません。貴方も来るんですよ、和装と洋装どちらが好きですか」
「だんぜん和装だけど」
「じゃあ好きな色は」
「黒ってまて、なに俺の好み聞いてるんだ。明らかに何か狙ってるだろう」

しかしこの馬鹿は顔をちょっと赤らめて、悩殺ですとかほざいたので、足払いをかけておいた。
お前が心配しているのは、俺がお前の家に行った時の服装に悩んでただけかよ。と言うか行くつもりねーよ、きたけりゃあのババア連中が来ればいい。

「えーそれはないでしょう。折角私が艶やかな服を着ようと考えていたのに」
「俺は露出過多の服は嫌いだ。女性差別といわれてもいい押しの強い奴らは基本嫌いだからな」

軽くショックを受けている。いつの間には戦闘から恋愛に移行したようだけど、俺はお前の事を友達以上には見れねーよ。
だって好みじゃないし、それ以前にお前と付き合ったりしたら間違い無くうるさい事になる。静かな人生設計が破綻してしまうに決まっているのだ。だがなんか俺の未来予想図を描くとそう言う方向には進みそうにない、なんか押しの強い奴に引っ張られて強引に付き合ってそうなイメージが浮ぶ。

「けど楽しみですよ。あの頂点殺しの写島と不動明王ですよ、いまもなお世界に最強の名を響かせる二人が対面するって聞いて興奮しないわけ無いじゃないですか」

へんなところで俗物だよなこいつ。
松永の方はいっぱいいっぱいだろう、なんか知らんがあの馬鹿は俺は嫌っているくせに、ばーさんは崇拝しているからな。
俺とばーさんは先頭法都かも同じなんだけど、それでもあっちのが強いけどな経験で負けちまうし。

「欲しかったらサインでももらってやるよ」
「ま、マジですか、私の尊敬する二人のサインがもらえる日が来るとは」
「いや不動明王は知らんが、ばーさんなら簡単にもらえるぞ」

ぴょンぴょんと跳ね回って喜ぶ。最近本当に犬化して来てないかこいつ、べつにいいけど。
絶対に中型犬だろうな、柴犬みたいに尻尾を思いっきり振っているイメージが浮ぶよ。

「そうかなんか喜んでもらえたみたいで、なんか嬉しいし今回の模擬戦相手してやるよ」

そんな時彼女は凄く目を輝かせて、支配者と言う仮面をどっかに投げ飛ばして俺に抱きついて喜び始める。
本当に犬を相手にしているみたいだった。頭をなでて餌をやったら本当になつくんじゃないだろうか、だが明らかに模擬戦といってから目が据わり始めている。どこまで言っても戦闘狂であることだけは、代わりが無いらしい。何と言うふざけた人間であろうか鷺宮もこれが跡取りなのだからないていいだろう。

「絶対ですよ、絶対。正々堂々と」
「あーあー、わかったわかった」

最も尻尾を振る犬だけは最初から最後までイメージから抜けることがなかった気がする。
しかしだなぜかいやな予感がする。これとは別のところで、模擬戦じゃない何かが俺の危機察知能力に反応している。しかしこういう予感は今まで全部、回避できたためしがないので、俺は軽い絶望を覚えた。

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コメント
無題
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
待ってました。今回も面白かったよ。
ありがとう
【2009/06/17 21:15】 NAME[ななし] WEBLINK[] EDIT[]
Re:無題
実はもう一回今日中に更新しようと思っていたりする。
【2009/06/17 21:35】


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