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玄米茶の愚痴や、暇潰しの短編を書いたりするよ多分
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とうとう登場不動明王です。
関係ない話ですが、元々は予定では不動八大童子を用意しようと思っていたのですが、なんか明王の方がいい気がして明王にしています。
あと不動三尊もよていではあったんですけどね。あと不動明王はデフォルトで二百年ぐらい生きています、それも全ては彼女の能力だと思ってください。特に決めてないので。






その日彼女は、鼻歌を歌っていた。
もう戦後からの付き合いになる最強の女に出会えるからだ。全能力者中誰が聞いても最強と答える不動明王。
日本では最早人外の化け物として恐れられている。

その彼女を唯一地に伏せた女がいる。この二百五十年間最強といわれ続けた明王を倒した、例外の女。
激情を証明する炎の化身は、孫が呆れながら見ているというのに、彼女はその感情を隠すこともしない。

「御婆さん久しぶりの宿敵との再会とは言えあちらはもう老年ですよ。戦闘行為の出来る体力などありませんからね」
「気にしなくていい、あの女に年齢なんか関係あらしません」
「そうでしょうか、やはりあの人も人間ですよ」

その孫の言葉を聴くと、どう見ても兄妹といった方がいいような美貌を持っていた不動明王は大笑いする。

「そうかい、そうかい、だけど理解しておき。あちらさんは一歩も動かずこちらさんを倒せる存在でありますよ。あの女は不動明王などただの人間だと思っていらっしゃる、アサヒさんやそんな事を思っているうちはまだ明王の照合はあげられやしません」

どこをどう弄くればそんなことができるのかわからないだろう。能力者として不動明王は彼を軽々と凌駕する力を持った人間だ。
山なんて容易く消滅させる事だって出来る。少しの間中国にいたのだが、それからいろいろなところに飛んで能力者指導をしていた。

「だがね、今回はあの女と戦うつもりはありゃしません。孫がみたいんですよ、既に松永と鷺宮を潰したようですし。こちらとしては、あの女の光景に足る力があるかどうかになるところでっしゃろ」
「いえ、あのような傑物が二人と存在するとは思えないのですが」
「こちらさんのよそうですが、確実に後継たる力があると思われておりやす。何しろ魔術師と呼ばれていらっしゃるそうで、あの女の精神を受け継いでいらっしゃるようです」

その言葉を聴いて、アサヒは同情した。
写島の後継に足る器なんてものは、不老不死に近い不動明王の敵に相応しい存在にしかならない。自分の祖母ながらこれほど面倒な相手と戦いたいとは誰も思いやしないだろう。

「それでですが、アサヒさん。写島と戦ってもらいましょか、どれほどの器か調べておく必要がありましょう。一度貴方も敗北を覚えていた方がよろしいと思いますので」
「お婆様ですが、まだ学生と私では経験に差がありすぎます。負けることなどありえるはずが無いでしょう、仮にも明王候補である私が」
「駄目ですな、あなたさんはどうも自身過剰すぎます。階級破壊者と呼ばれていらっしゃる写島を甘く見すぎるのはどうかと思いますよ。私の想像通りの相手なら間違い無く貴方さんは負けるはずですから」

その時彼の祖母の目は明らかな確信を持っていた。
これだけ確証を持って発言する事など、彼の祖母は一度もしなかった。国の建てである最上級ランクの能力者と戦う時ですらあいまいな表現をしていた祖母が、これほど確実に負けると断言する存在はどういうものかと。

「あれと戦うのは、技術とか階級じゃありません。どれだけ相手に主導権を握られないか、けど無理でしょうな。どう考えてもあなたさんは負けます」
「いえそれこそ勝敗は戦ってみないとわからないのでは」
「いえ、確実ですな。鷺宮とだって戦えば、あなたさんは負けるでしょう。こちらさんじゃ負けることは教えられませんからな、屈服しか教えてあげたことはありゃしませんからね」

彼も炎の後継だ。そして仮にも日本の六道大家と同じ力を持つといわれる明王の名を与えられるのだ。
ただの学生しかも最低ランクの言霊使いに負けるというのは、彼の矜持が許すはずも無い。

「おやおやこわいこわい、そんなのだから負けるといっていますのに」

いつの間にか彼を地面に叩き伏せている明王は、やんちゃな子供を見るような目で彼を見ている。
そしてこんな彼女の行為の矛先が、なぜか可哀想な彼に向けられるのだ。強すぎて敗北ではなく屈服しか教えられなかった不動明王は、教材になる写島に感謝をする。だがそれ以上にもう一つの願いもある。

「さてさて、明日香さんやこちらさんとどちらが孫が強いか勝負しましょうや」

その迷惑の全ての集合点である人物は、本当に興ってもいいと思われるのだが、あまり同情したくないのはなぜだろう。

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