玄米茶の愚痴や、暇潰しの短編を書いたりするよ多分
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凄く遅れました申し訳ありません。
意外と長くなってしまいましたので、そして次で六章が終わりあと二章ぐらいでこの話は終わります。ゆっくりと打ちますよー。
「じゃあ私と勝負してください」
「ふざけんな、俺は戦うのが死ぬほど嫌いなんだよ」
「そんな事はありません、私と始めて戦った時なんて、力負けするほどの能力を平然と使ってたじゃないですか。戦う相手が弱すぎて、面白くないだけでしょう」
あのねそんな事は無いんですよ。
俺は過大評価されるのが大嫌いなんだよ。あの写島の後継者とか言われたり、偉大なる後継とか昔は言われたもんだ。そんなこといった奴らは全員丸坊主にした記憶がある。
「そんなこたない。面倒な事は全部嫌いだ、俺は強くないといっているだろう。大体明王と戦ったらまた注目されるだろう、俺はそう言うのも嫌いだしな」
「え、なに無理を言ってるんですか。あなたと明王候補の戦いは、既に確定した事実じゃないですか」
「ちょっとまてよなんで、アレだけ暴言はいたのに戦闘が決まってるんだよ」
首をかしげる女は、今更何をといった態度をとりやがる。
「いやあなたならありえますね。明王と写島ですでに確約が取られていますから確定ですよ。そう言うむねを伝えた書類が送られたはずですが、本家の書類は全部見ないで捨ててたようですね」
「え、おい、お前そりゃないだろう。相手に頭下げなきゃ戦わないといったばっかりだぞ俺、だから不動明王も俺とあいつ他が戦う事を確信してたのか」
最悪だ、また面倒な思いをしなくちゃならないのか。
写島が発言すれば国家が動くのだ、名家よりも時としてその言葉は重くなる。それに一応英雄の血族とか言われているし、不動明王関連では俺たちはキチンと動く必要があったりするのだ。
それ以外は出される事は無いが、まあ俺たち一族は不動明王関連の政治ごとに拒否権は無い。それが未成年の俺でも変わらないのだから最悪だ。
「くそ日本から逃げ出してやろうか」
「いや写島を他国に出すような政治家はこの世に存在しませんよ」
そうなんだよ。何でこう面倒な制約がついているんだ。
まぁ国外逃亡も視野に入れよう、亡命だってありさ写島ならきっと受け入れてくれる国はあるはずだ。
「なんか物騒な事考えてますけど、皆さん期待してますよ。次世代の写島と明王の戦いですから」
「負けてみるか」
「それは無いでしょうだってあなたは、強くないといっているのに負けるのは嫌じゃないですか」
たしかにそうなんだよ。俺は過大評価は嫌いだし面倒ごとは嫌いなんだけど、負けたくない。
何しろ所詮ランクCの能力者が、高能力者と戦って負けたら殆ど死ぬ。それぐらいの力の差があるのだから負けるわけにはいかない。
「そりゃ敗北イコール死亡だからな、負けるわけに行かないんだよ」
「なるほどだから無敗の写島とかよばれるんですね」
「そう言うことだ、しかし政府からの本家への援助が消えたら。あの歩く災害が打ちの実家に来るのは確実だから困るんだよな。あー面倒くさい戦わなかったら余計面倒なのが家に来る」
そうなったら俺は実家に帰っても心が休まる事がなくなる。
ああ最悪だ、逃げ出したいのに逃げ出せない。意やいっそここで逃げ出して海外逃亡への布石を整えるべきではないだろうか。
いや隣の女がそれを許さないか、政治と言う意味では写島は所詮最後の手段だ。この日本で不覚から政治に関わってきた六道名家にはかなわないだろう。そしてこいつが意地でも逃亡を止めるのだろう。
鷺宮はそれだけのパイプと力と実績を持っている。
「ここで一発写島の実力を見せてあげましょうよ。玉音放送の後に起きた不動明王敗北の再現を見せてください」
「あーあー、了解しました。どうせこの日本からは俺は逃げられないしな」
「そうですよ英語の成績最悪なんですから、他の言語も覚えられませんって」
多少むかつくが全部事実だ。
時には見せてやるべきだろう、他の能力者と隔絶した弱さを誇る写島の一族がなぜこの国で最悪の名前を得ているかを。
名家はどうも忘れかけているようだしな。
「久しぶりに本気で戦うんですか」
「まさか、俺はいつもで大真面目に戦っているだろう」
そう言うと面倒な名家連中の賞賛の言葉を浴びてババアのところに向かう。
孫の話をしているのだろう、俺の視線に気付くと見たくも無い老婆の笑いが浮んでいた。まだもう一人のほうは俺にも気付いていないのだろう。
ゆっくりと近寄る。後二歩ぐらいのところでようやく気付いたそれは、怒りに顔を真っ赤に染めていた。
「きたようだね写島の後継は」
「いやそろそろ言いたくなったと思ってね、そこの無礼千万極まりない七光り、いい加減お願いしますの言葉は言えるようになったのか、頭を下げてお願いしますといってくれないか」
相手にとっての逆鱗にあえて触れてやる。
それをするまで本気も出さないという明確な喧嘩の売り方だ。したくも無いことをさせるのだ本当は全員に土下座させたって気がすまないのを一人にしてやるんだ。
「格上に戦えとかほざいているんだ雑魚は礼儀ぐらい示せ」
「貴様と言う奴は」
「どうも貴様よりは強い写島美春だ。頭を下げるまで本気も出してやらないから、さっさと頭を下げるか、このまま戦うかはお前のプライド次第だ」
だが視線を合わせないぞ、あわせるのはあくまで不動明王。
あんたみたいな面倒なのがいるから、俺の様な低能力者は常に勝たないと命の危険に晒されるんだよ。時にはそれを理解してふざけたその満面の笑みを投げ捨てろ。
「闘士としての覚悟も無いのか!!」
「そりゃそうだろうこんな最初からわかってる出来レースの為に寿命を使ってやるんだぞ感謝して欲しいぐらいだ」
怒りで溢れているのだろう炎が、心臓の鼓動と共に激しくなっていく。
こんな炎に当たれば一瞬で死んでしまうだろう。だが人間一人を倒すのにそれはいらないだろうと思うんだよな。
「だからとっと『倒れさせてくれ』」
その瞬間ぐしゃりと潰れた。突如として襲い掛かる重力や風があいつだけに激しく襲い掛かる。
耳栓デモしているのだろう顔は驚愕に包まれている。別に言霊使いは人間だけに作用する能力じゃない、自然現象だって操る事はできる。
『そのまま倒れたままにしておいてくれ、足掻こうと無力である現状を突きつけて欲しい』
まだ炎を蓄えているのだろう。倒れているというより潰されているに近い状態だというのに、よくもまあ頑張る。
その必死さはほめてあげたいが、そりゃ無駄だ。
「それと『能力は邪魔だ、発動次第自爆しろ』、ちなみにだが発動したらいくらお前でも死ぬからやめとけ」
不意打ちによる完全な奇襲。怒りで相手の行動を読むことも出来ないままの完全封殺。
それでも残心の状態のまま、敵を見続ける。取り敢えずこれぐらいしておけば、少しの間は静かになる、能力者として上位である以上直ぐにこんなもの剥ぎ取る事は可能だ。
「はい終了ついでなんで『意識でも狩っておいてくれそれで全命令は終了』」
どうせこれじゃ倒せない。俺は能力者を甘く見ないが、高く見るつもりも無い。その俺の態度を見て、不動明王は憮然とした表情をしていた。
「いやそれは流石に私の孫を甘く見すぎでしょう。明日香さんの孫らしくも無い、戦いの終わりでありますよ」
ああ、とてもよく分かっているよ。鷺宮はこのあと俺にそのまま能力を叩きつけてきたんだからな。
しかしそこにいる鷺宮、明らかに俺を見て楽しそうに笑っているな。流石戦闘狂、俺のある程度真面目な戦い方を見て興奮して恍惚とした顔をしてる。
「知ってるよ、だから攻撃を待ってるんだろう」
愕然とした顔が見れた。不動明王もこんな顔をするんだとは驚きだが、俺とバーさんの戦い方は根本的には違う事をようやく把握したのだろう。またすました顔に変わっていた。
しかし不動明王といい、鷺宮といい本当に係わり合いになりたくない奴と、関わりあってしまった気がする。
そんんあ思考と同時に襲い掛かった炎が、俺の視界を完全に阻む。だがこれも全部出来レースなんだよな、奥の手は出せない。
俺としてもまだ殺人をしたい歳じゃないんでね。
まぁその時炎に巻き込まれた俺の姿を見て、俺の敗北を確信した奴らの顔は覚えた。そいつらの為にだけは働いてやるまい。心の底から深く、そう思っています。
『火傷するような自然現象は消えうせる』
そう呟いて、第二ラウンドとなる戦いの思考を俺は考えていた。お願いしますはいつ言うのかそれだけが気がかりです。
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