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玄米茶の愚痴や、暇潰しの短編を書いたりするよ多分
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鬼の花婿さんはどうだったでしょうか。
私としては可愛いけど酷い女性を書きたかったんですが、全力で失敗している気がします。

そして気が向いたので連続更新。



あの炎を喰らえば普通はこの国の名家連中でも相当のダメージを受けるはずなのに、煤すらついていない彼の姿に、アサヒさんや他の人たちは愕然としていらっしゃいます。

しかしです。

これが、これが明日香さんの後継者かい。

仮にも明王に成るべくして成る様な力を持つ子が使う炎をたかが言霊でねじ伏せるなんて。相も変わらず裏技のような言霊です、自分の発言に一つたりとも揺らぎが無いからこそ発言できる現象が目の前で起きているんですから。

それでも本来の孫ならあの程度の攻撃でここまでの失態は演じないと言うのに、小細工まで祖母そっくりと言うのも驚きを隠そうにも隠せません。
ただここで驚いていない鷺宮の娘は、少なくともここまでの彼は見たことがあるということでしょうか。
最低でもあと三段階ぐらいはあるはず、彼の祖母がその程度の実力を昔は持っていたのですから。ただの炎じゃ彼をつぶす事は出来ない。

「まだお願いしますは無いのか。全く無礼な奴だ」
「貴様ほどじゃない、お願いしますなどといってなるものか。本気を出させればいいだけでしょうが」
「いや無理だと思うな、鷺宮にも劣るよそれじゃ無理だって」

そうやって挑発しているのでしょう。攻撃に無駄を用意させて、自分のランク内で処理できるようにイメージを膨らませる。言うのは容易いけど、こんな状況生成能力に意志力と想像力を高次元で持っている必要がある。
あの未来視にも似た予測能力と、私でさえ手に入れていない意志力はまさに明日香さんの後継者。
けれどまだ未熟ではある、まだ介入する隙がある本当に本気など出していないのだろう。それでも圧倒的過ぎる。

アサヒさんはどうも相手のペースに乗せられている。それは仕方ない事でしょう、私以外に負けないと思っていたプライドを根こそぎへし折られているのですから。
それさえ予測している観察眼は、もはや魔眼といってもおかしくないのでしょう。

能力だけじゃな敵わないと見ると、アサヒさんは近距離戦から通り抜けようと考えているようですが、私もあちらさんも元は同じ一族の出であることを忘れているのでしょうか。
そしてあちらさんは朝日さんの攻撃を呼んでいるのですから、カウンター気味に一撃喰らいました。軽く意識でも飛ばしたのでしょう、その場で立ち尽くします。それも想定しての攻撃だったのでしょう、そのまま流れるように体を動かし、二度三度アサヒさんを殴りつけます。

関節を固めると耳栓を外しました。ああ、終わりましたねこれは確実に。

「じゃあ終わりだ『両手足を叩き折って押しつぶせ』、そういえば忘れていたけどさ俺って男には容赦する人間じゃないからな」

治るだろうけどこの国ではまともに歩けないようにしておいてやると、朝日さんの耳元で呟いていました。
これだから、これだから写島は能力者の例外と呼ばれるのでしょう。本当にCランクの力の能力をその意志力だけで鍛えつくした結果なんですから。
どう考えてもこの国どころか世界的に見ても、これほど弱い最強の能力者はいないでしょう。

「ここまで容赦なくするとは思いませんでした」
「うっさい鷺宮、あれだけ徹底的にやれば面倒ごとが俺に近寄らないだろう。一番厄介なの意外な」

彼の勝利を当然と思いながらも喜ぶあの子は彼女か何かでしょう。
鷺宮の娘を捕まえる辺り本当に明日香さんそっくりですよ。あの人は私を倒す理由が惚れた男に頼まれたですからね。
確か根元林のあと取り息子だった気がします。けど私を倒してしまえばと言う約束を守った所為であまり能力の高くない妹が継いだという話がありましたね。
それはどうでもいいです。いまは勝利者に賛辞を送りましょう。

「おめでとうございます。さすが明日香さんの後継者といわれる方です」
「うるせえクソババア、俺はこんな事をしたくはないんだよ。次からは断るからな、それとその馬鹿に人の言葉に乗せられすぎと言っておいてやれ。鷺宮と同じクラスの実力がある奴の戦いじゃないぞあれ」
「あの子はどうしてもプライドが高い子ですから。本当に申し訳ないです、美春さんの実力も出して上げられなくて」

あら嫌な顔をしていらっしゃる。
けど仕方ないでしょう。あなたはそれだけ、私の宿敵に酷似しているのですから、戦い方はともかくその有り方が、ならあの程度であるはずはありません。
鷺宮の娘さんは、私を見てさすがと言うようですが、唯一の敵のことぐらいしかこの歳になると考える事がなるなるんです。

「伝えておきましょう。アサヒさんもいつかあなたに再戦させてあげたいのですが、困った事にあなたはどうやら明日香さんの死後は私の獲物になりそうです」
「冗談じゃねーよ。俺は面倒ごとはしたくないんだよ」
「けど困った事にこの国の法律じゃあ、写島は不動明王の相手をすることが決まっていますよ。そして私はこの国だからこそ敬意を払って、形式的に戦いたいといっているだけです」

本当なら明日香さんとは本気で殺しあいたいぐらいなんですよ。
それを折角生まれ故郷だからって我慢してあげてるんですから、国外逃亡ぐらいしてもらいたいものですよ。本気で殺し合いをしてあげますから。

「お断りだ。戦闘狂は一人でいいんだよ、鷺宮が要るだろうこれが一応俺の敵らしいからな。若い方がいいんだこよっちもな、再生の炎まで作り上げて生きてるんじゃねーょさっさと死ね」
「こちらも戦い以外で死ぬつもりはないんですよ。そう思うならあなたが私の寿命を根こそぎ殺しつくしてくれますか」

本当に素晴らしい逸材だ。
これだけ完璧に後継者を作った明日香さんは羨ましい。それ以上にありがたい、あなたの死後は彼をついばみ租借してあげたいです。
心臓の音が炎を体内に溢れさせる、ここで喰らってやろうか。

けどそれ以上に心臓が高鳴る声が響いた。

「そりゃ相手が違うのぐらい理解できないのかい、また地面に叩きつけられんと自分の諸さも理解出来ないのかいめいさんや」

なんでここでくるのでしょうか。
私の最大最強の敵は、我が最高にして最大の怨敵は、何でもうも憮然と大胆に存在してるのでしょう。しわに歪んだ顔も、年老いて体力もなくなったというのに自分の敵は今もなお勝利を確信した態度をとる。

それは無いでしょう、あまりにも完璧な私の敵過ぎる。折角つけた理性がはがれてしまうじゃないですか。

「それは素晴らしい、また私と戦ってくれるとは」
「なにいい加減にこっちも寿命で逝きそうだし、その前にあんたとの関係に白黒つけてやろうと思ってね。そのためにあんたの来日を仕組んでやったんだよ。取り敢えず前哨戦の孫の戦いは終わったろ」

ああ、孫なんてどうでもいい。素晴らしいほどの敵だ。
また強くなってるなんて思いもしなかった。孫と同格かそれ以上の魔眼を持って私の全てを見出すんだろう、間と一切違うところを見せ付けてやる。
そういえば彼女の孫がいってた気がする鷺宮の娘が敵と、ならもしかしたら私の後継者は彼女の方がふさわしいかもしれない。

「鷺宮明さん、ちょうどいいから一つ助言してあげる。あの化け物共と戦いたいなら、あいつらの戦いを見るなんて行為は無粋、この私の戦いを見なさい。これがあなたが進むべき道ですから」
「ここで後継者選択までするのかい、随分命がいらないと見えるよ」
「いえ後継者に見せる姿など背中だけで十二分と言う当たり前の事実を忘れていただけですよ」

だって写島に負けてなお立ち向かい続ける子なんて物を見たのは以外初めてだ。
あれに挑む力があるのならどうにでもなる。それを理解しているのだろう明日香さんも、あいつも変な女に目を付けられたと同情して笑った。

「さっさとやれよ、孫の戦い食って戦うんだから。俺に面倒ごとをかけるなよ」
「美春そりゃむりだ、この戦いで一番迷惑を被るのはあんただよ」
「当然でしょう、後継者なら諦めて受け入れたらどうですか」

その言葉を聴いて苦虫を噛み潰したような顔を作る。
けど諦めたのだろう溜息を吐いた、それが二人の戦闘の合図。彼女の為に考え続けた戦闘法を見せる、愛しております我が宿敵、だから今回で負けて死んでくれますね。

「お断りだよめいさん」

もう、それぐらい受け入れてくれてもいいでしょうに明日香さんは意地悪な人ですね。

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