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玄米茶の愚痴や、暇潰しの短編を書いたりするよ多分
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次の更新日は早くて日曜、遅くて月曜日です。
あと二章目終わりました。したからどうぞ、ちなみに遅れるのはこんなの書いてるからです。




場が騒然としていた。ありとあらゆる静寂が、クラス中を包んでいる。ふつふつと湧き上がるこの押さえようもない感情にきっと俺は傍観者のような目でそれを見ていただろう。
俺には今のことは一切関係ないんだ。そう思えば何の不都合もない。そうさ一切不都合はないはずだ。

「さーてマイスィート、ラブでエキセントリックなフィーバーでもディスカッション?」

視線を俺に固定して歩く能力者の大家である三車の嫡男。これが跡継ぎなのだから同情にこの家の人間達は値する。
大体お前は気付いているのかといいたい。お前が攻撃した女は、六道大家の頂点鷺宮だと言うのにわかっているのだろうか。やたらと興奮して常軌を逸した目をしているが、単純な力押しではこの男に勝てる気さえしない。今ある小細工はすべて津波に飲み込まれる堤防だ。

「意味が分からない、取り敢えず会話のキャッチボールをするつもりがないならお前は過去の人になって欲しいんだが」
「つまりあっしこと彼であることの私を過去の男に入れてくれるということですね」
「どう聞いたらそんなフィルター越しの言葉に聞こえるか分からないが、取り敢えず能力も使わず三階から飛び降りて頭蓋骨陥没やら首の骨やら折ってきたらお前のさっきの妄言を耳に入れてやってもいいぞ」

ぴしりと三車が固まった。ようやく俺の言いたいことを理解してくれたようで感謝したい。
いや会話の通じる馬鹿でよかった、それにただで俺を怒らせておきながらすむとは思わせたくない。

「いい加減に起きろそこの馬鹿女、俺が手厚く介抱でもすると思ったか。狸寝入りもいいが、いー加減あの馬鹿血祭りに上げろよ」

どちらにしろ半殺しには最低デモするつもりだ、社会的には死亡は確実にさせるが。
俺の言葉を聴いた馬鹿の体はピクリと動いた。そして恥ずかしそうに起き上がる、それは俺にばれていたことなのか不意打ちを受けてしまったのことなのかは分からない。

「抱き上げるぐらいしてもいいと思います」
「蹴り上げるならいつでもしてやる」
「貴方はなぜいつもそう私に厳しいんですか。これだけ私が愛を振りまいているのに」
「あーあーそうだろうな確かにお前は俺に哀を振りまいているよ」

なれたもんだな俺も、こいつとの会話は常にこんな感じだし。
いつも俺の返す言葉に首をかしげる、この仕草は意外と可愛いと思うけど。こいつの内面を知っているから正直勘弁してほしい。

「まってください、なぜそんな鷺宮の破壊兵器と楽しく会話を」

乱入するなもう少しで泣かせる事ができるんだ。

「と言うか何処が楽しい会話だ。この歩く人間災害は、俺の人生設計を壊滅させたんだぞ」
「どこがです、キチンとエリートコースに乗せてあげたじゃないですか」
「俺の憧れは親父だ、あんな平々凡々とした生活に憧れていたんだ。こんな人外魔境の魔窟に期待なんて言ったことは一切ない」

馬鹿をそっちのけで言い合いを始める俺達。こいつのせいで俺は人生を破綻させたんだ言いたい事は山ほどある。
だがあいつも不服そうに文句を言ってくる。
確かにこのまま順当に行けば写島のネームバリューと、こいつをしとめたことのある経歴から企業と政府から引く手あまたになるだろう。だが俺はいたいのは嫌いだ、相手を痛めつけるのは大好きだが。

「憎いあんな売女に、男を奪われるなんて」

こいつは取り敢えず除外しておこう。

「お前の所為だぜーんぶお前の所為だ、あの日理由も分からず雑魚をしとめた所為で俺の人生は破綻した」
「って何てこと言うんです、私の何処が弱いんですか」
「大体全部、Cランクに負ける高ランクが問題なだけだ。俺は弱いんだからな」

弱いって言ったら弱いんだ。
絶対に俺は強くない、耳を塞いで逃げるだけ。

「それより邪魔だからあれを吹き飛ばせ、そして二度と社会的に生きていけないようにしてやれ鷺宮の力で」
「あのですね六道大家は基本的に争っちゃいけないんですよ」
「俺の貞操が男に奪われる重大事件だな」
「ええ、それは全くその通りです」

そのうち俺は猛獣使いの字を受け取ることに成るじゃないだろうかと思い始めてきている。
俺飼い主、あの馬鹿猛獣、といった感じで。
しかし忠実な犬のように能力を起動させたな。

「くたばりなさい、この非生産型人間」
「ふざけないで欲しい、鷺宮の破壊魔が生産型の人間なんて言ってほしくないですね」

親能力同士が拮抗している。本来支配の前では六道大家でさえも一歩後退するというのに、実はあれも天才の一人か。この世界の中ではこういう馬鹿だけに才能を与えるようにしているのだろうかと思うとむなしくなる。

だが二人の援護ぐらいしてやろう。俺だって慈悲の一つや二つ持っている。

『二人して自爆しろ』

二人の完全な能力支配に穴を開ける。一つ穴をあければいい、優れた使い手ほど完璧な構成で起動するが、一箇所でも崩してやれば完璧すぎるゆえの構成だからこそ容易く崩れる。
二人して驚いたような顔をしていた、あーあーだから俺に負けるんだよお前らは。

制御しきれなくなった能力はクラス中を巻き込んで、弾けとんだ。ちなみに一番の重症は俺、まさか本当に三階から投げ出されるとは思わなかった。
結局一番馬鹿だったのは俺と言うことになったが、まさかこの二人が入院中の俺に入り浸ることになったのが問題なぐらいだ。

結局俺以外マナイスがないのだがどうしてくれるか。
それはまた後日の話になる。

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