玄米茶の愚痴や、暇潰しの短編を書いたりするよ多分
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仕事の関係でどうしても更新できません。
あと一週間ぐらいは掛かると思います。楽しみにしていた方本当に申し訳ありません、お詫びと言うわけではないのですが、短編を一個のさせていただいておきます。
本来なら作品の方を更新するべきなのでしょうが、忙しすぎて少々難しいのでお許しください。
/1
あるオンラインゲームで伝説と呼ばれるゲーマーが居た。
まぁそう言うゲームで伝説と呼ばれる人間だ、日常生活はそりゃ破滅的なものだろうが、なんか色々とそのゲーム頑張って伝説と呼ばれるようになった。
そんな彼だが、あるアイテムをようやく手に入れた。
それこそはステータスの振り直しを可能とするアイテムだ。これはボスからしかドロップできないだけならまだマシで、確立がGM側がプレイヤーに喧嘩を売ったとしか思えない1溝分の一、お前らに絶対やるかと、言っているような単位だった。
しかし彼はようやくそんなアイテムを手に入れたのだ。
「こうなったらAGIの極振りとかやってみるかな」
心弾む瞬間だ、ステータスを振りなおすのだどんなキャラクターにするかと、鼻歌だって歌いたくなる。
だが後々彼はこれに後悔する。いや今この一瞬から彼は後悔する事になるのだ。
現状で最高レベルである279と言う彼のレベル。金と時間を明かしたありえない数の装備。
「そんな事しないけどさ。手に入れた装備が出来なくなるし」
そうだこの世界の装備は、全てステータスによって制限が掛かってくる。だから彼はそんな馬鹿なことなんてしない。
ただ冗談で、AGIに全てのステータスを振り込んだのだ。
しかし彼の後悔はこの瞬間から始まる。
『やあ、君達。このショウロウオンラインを楽しんでいただいているようだが、君達をここにとらえさせていただく』
彼はその声に怯えてよりにもよってステータスを振りなおしてしまった。
「ちょ、え、ま、あれ、えええええ」
『君達がこのゲームが君たちの日常に変わる。ゲームこそがこの世界の法則だ。だからこそこのゲームで死んだものには、現実の死が与えられる』
この時彼は絶望した。そして彼はまた伝説になるのだ。
神速の壁、無傷の壁、全てを守護する英雄に。
だが彼は凍りついた。今までの全てのステータスはAGIに変わってしまったしかも全ステータスがだ、唯一装備できるのはアクセサリーぐらいのもの、それで初期装備が持てるようになったぐらいだ。
当然の事だがレベル上げは無残な事になる。そもそも倒せる敵が初期の的しか居ない。
困った事にこのゲームではAGIが、攻撃力になる事はない、その現実を突きつけられ彼は絶望した。
『そしてこれの現実から逃げ出したいものは、最後のダンジョンのボス、ネグリジェスを殺すことだけだ』
彼が昨日まで倒していたボスである。
しかも結構楽勝に、だがもう無理だ、火力が足りない。何よりそのボスこそがこのゲーム最強の敵であり、唯一のステータス振り直しのアイテムを落とす敵であった。
『健闘を祈る、また最後の私の介入として、ボスのステータスを上げておいたから頑張ってくれ』
まさかこんなあほな感じでデスゲームに彼は介入するとは思っていなかったのだろう。
タイミングさえよければ英雄にだってなれていたはずなのに、これでは彼はただの回避だけが凄まじいだけの馬鹿である。
「せめて、せめてレベル制限であれば」
あらゆる人間が動揺を隠せない中、一人別のことで突っ伏す馬鹿。全てが偶然だった、ただ驚いてミスっただけ。
それが彼の総計一年半の軌跡と三百万円を台無しにしたのだった。
そもそもステータスの振りなおしのためだけにボスに挑むか、この世界から逃げ出すためだけにボスに挑むかを本気で考えるような状況に彼は追い込まれている。
本来であれば、この世界から逃げ出すための英雄になるチャンスだったというのに、タイミングが悪すぎだ。
つかえないレア装備達、もう涙なしでは語れない。しかもHPも全盛期より大分下がっている。レベルアップ分の上がりしか無いからだ、正直に言えばレベル百の戦士レベルしかないだろう。
「ありえなさ過ぎだろうこれは」
だが彼が思うのはこんなあほな回避率ならぶっちゃければボスの攻撃全て避けられる。それほどの回避率は手に入れていた。
魔法攻撃だって避けられる、それでもボスには与えるダメージはゼロの一択だろう。
彼の姿を知る高レベルプレイヤーも、大慌てで彼に連絡を取るが、彼に返す余裕が無いのは当たり前だ。
何しろつかえないキャラクターに命を預けなくてはならないのだ。
装備制限の所為で全裸になって、一人突っ伏す男。変態だが誰一人彼に話しかける事はない。
「俺はもうお仕舞いだ」
辛うじてスキルのお陰で底上げは出来ているものの、焼け石に水とは彼の為にある言葉に思える。どちらにしろ初心者よりまし程度の話だ。
どの攻撃も所詮ステータスに準拠している。これほど無駄なキャラクターもあるまい。
ゲームシステムを効率よく使って雑魚キャラを作ったようなものだ。
彼に話しかける人もいるが、今は会話する余裕は彼にはない。
「もうアイテムは他のやつにやるしかないか」
ようやく思考が戻ってくる頃には、彼の顔にはすがすがしいほどの『他人任せ』と言う、特殊技能が発動していた。
と言うかこんなキャラ最初の頃の場所以外で活躍する事はできない。いややもう一つの方法があるとすれば壁役だけ。
どちらにしろ彼にできる事は決まっていた。
「この世界から逃げ出すために、人材を育てなくてはいけないのか」
彼がこれからやるのはただの養殖のような動作だけ。
これからこの世界を逃げ出すまでの一年間で彼が育て上げた、高レベルプレイヤーは千人を超す。
そして彼は伝説へと昇華される。
世界最強の壁と、最もそれに特に意味は無い。
彼がこの世界から離脱して手に入れるものは無い。それに気付くのは彼がこのゲームがから逃げ出した後になる。
そして何より、このゲームに奪われた時間が、彼の人生を破綻させる事になるのだから、笑い話ですまない。
「こんな現実から逃げ出してやる」
だが今現在全裸になって格好をつける姿は彼の将来を暗示しているようでならない。
/2
AGI極振りと言う無残といえば無残なステータス振りからようやく色々と持ち直した時だ。
だが彼への周りの期待はすさまじかった。当然だろう、一応伝説のプレイヤー(リアル駄目人間)だったのだ。だが彼の現在のステータスを後悔して、彼はまた一つ伝説へと近付いた。
まさかどちらの世界でも駄目人間に成るとは思わなかっただろう。正直な話をしよう、彼の現在のAGIなら一応目標のボスの攻撃も九割回避可能だろう。
あと一割当たるけどそこはリアルスキルの出番だ。
そっちも彼は凄いから伝説と呼ばれているのだが、しかし火力やそれに伴う武器が死滅的に弱い。
しかも困った事になぜかこのゲーム攻撃速度はSTR、及びINT、LUKとなっている。AGIはひたすらに回避、あとスキルディレイの位だろうか。あとはDEXのはずの命中率もAGIでお情け程度の増える。
ちなみに彼のAGIは初期振りの1600ポイントにレベルの上がるたび600ずつ増えるのだが、
STR 1700
VIT 1500
INT 1800
AGI 169900
DEX 800
LUK 0
LUKにいたってはリアルラックと変わりはしない。と言うかAGIは最早別次元である。
取り敢えず二桁おかしい、大体彼のステータスだとレベル十程度のキャラクターの装備アイテムしか装備できない。
困った事にAGIは全く不必要なのである。
ちなみにだがこのゲームでのレベル13位の戦士のSTRやVITしかもって無いと思ってくれればいいだろう。
つまりアクセサリーのお陰で多少マシな装備が出来ている状況なのだ。しかも彼のレベルは、ボスを千体狩って辛うじてレベル一あがるような代物であり当然の話だが、彼がどう足掻いても、ここから栄光への復帰は不可能である。
しかもキャラクターのリメイクは出来ない。結果彼に出来るのは弓や使いや銃使い、魔法使いや聖職者といった、後方支援系の壁になることぐらいだ。
だが正直な話このゲームで彼を傷つけられるのは、GMぐらいのもんで他のやつらに傷つけられる事も無い。
ある意味無敵のままではあるのだ。最も誰もこんな立場になりたくはないが。
まーある意味有名になり、周りからの失笑と同情が突き刺さる事になった彼は、一人初心者達の養殖に励んでいた。
しかしそれでも簡単に出られるとは思わない。一度彼は、ラスボスを見に行った。基本ダメージが当たらないから、相手がどんなスキルをもているのかを調べに行ったのだ。
ちなみにこの情報はその日のうちにこのゲームに流された。
だがそれでも死ねば確実に死ぬといわれている状況で、無傷の勝利を考えるには、ひたすらに強くなる必要がある。
実力だけはあるもんだから、質のいい狩場やモンスター知識などでアドバイザーになっていたが、半年も過ぎればここもいいところだと、諦めるものや、自暴自棄になってPKにいそしむチャレンジャーもいた。
もし出られたら君たち殺人者ですよといいたいが、もうでられないんだーとか言って大暴れ。それに対抗するように、一部の正義ロールプレイヤーが、PKKをしたりと大暴れである。
どっちも買わんねーよと言うのが彼の持論だが、一人殺される事も泣くのうのうとできるやつに誰も言われたくない。
「よし俺は避ける、君達頑張ってくれ」
彼の声と共に、魔法や遠距離攻撃は雨の様に降り注ぐ。アクティブ系のモンスターが湧かないところとは言え悲惨すぎる。
魔法での攻撃、1のダメージが画面中に乱舞する。それこそ無残なほどに、当然彼も攻撃しているのだか、当然1しかもそれほど早くないので微妙だ。
ただモンスターの攻撃だけは彼に集中している。しかも攻撃しているだけでレベルの上がるような低レベルキャラクターを育成し続けていた。
そうやって彼は半年ほど過ごしてきたのだが、そんな事をしていたらいつの間にか、自分より強い奴らの養殖をするというわけのわからん状況にまたなった。
しかもこの頃のになると理解さえ出来ないが、脱出よりPKと通常プレイヤーの戦闘のほうが多くなっていた。しかもこのゲーム困った事に、入る事は誰でも出来るのだから、状況が気になる人間などは入っていくる事が多くなってきていて、しかも自分で入っておきながら自暴自棄になってPKギルドなどに入り大暴れ。
全くフリーダム過ぎる状況だ。あと政府に選ばれた人間とかも結構殺されてたりする。
出れたらこのプレイヤーたち一体どうなるのか理解できません。
さらにそれから一ヶ月がたつころには、通常プレイヤーにも派閥が出来てそこで戦争。
お前ら本当にいい加減にしろといいたい。
ちなみにだが派閥は二つ、その一つを法の派閥、そのトップを【光輝の刃】のリアルに出たら卒倒しそうな二つ名を持つゴン。
そしてもう一つを混沌の派閥、そのトップを【約束を貫くもの】また悲惨すぎる二つ名を持つマリガル。
まー覚えていても無駄だがPK派閥、全部むごいがその中でもえげつない忌み名【死体を踏み鳴らすもの】を持つエッジ。
その三つの組織が争いを繰り広げている。主人公はひたすらに養殖。
実は上の三人は、下は同じギルドの人間だったりするのですが、そのギルドマスターはひたすらに養殖をしている彼なので特に意味がありません。
だって回避だけで求心力無いですからね。
ある意味彼の所為ですが、運が悪いだけで特に彼が悪い事をしたわけじゃないのが何か余計むかつきます。
けれどその派閥間戦争が激化を増した頃、取り敢えず自分にできることは養殖だけと思っていた彼は、ひたすらにそれだけやってました。と言うか、何で彼は無駄に一生懸命養殖しているのか疑問が残ります。
それもひと段落着いて、いつものように都市ロイヤにあるホームに休みに向かっている時。
「あなた、なぜ今この状況なのに、かつてのギルドメンバーを止めないんですか!!」
彼に話しかけてくる一人の少女がいました。
「何で皆で力を合わせて、ここから脱出しようといわないんです」
と言うよりそれは怒りに任せた罵倒です。
彼の作ったギルドは、二百五十以上のプレイヤーだけが入れる最強のギルドでしたが、所詮力だけでギルドマスターも変わるようなところだったので、強さが基準でそれ以外の論理は無く。
力を失った彼に発言権などある筈もなかったのです。
「大変遺憾に思います」
「そう言う事を聞いているんじゃないんです。あなたなら止められるでしょう」
「それは無理なプロミス」
リアルじゃどうかわからないが、それなりに可愛い子が彼を睨みつけている。
怒りに染まった表情に、特に好感度などは上がる事など無い。むしろキンキンと喚く声で好感度は下がる一方だ。
「意味がわかりませんよ。あなたは彼らを止める権利がある」
「わけない!!」
常識を考えても彼らを、彼が止める事は不可能だ。
強くないけど殺せ無いと言う訳の分からん悪循環を持つ彼が、彼らと会話ぐらいはする事は可能だろう。
「自分で止めてください、無理です。あいつら俺の事、昔っから嫌いだし」
凄まじい求心力の無さだ。
流石リアル駄目人間である。
「ネカマに成ったまま、生きていて最近不思議と女言葉になる私の責任を取ってください」
「よかったね、出られたらニューハーフだ」
そのあと唖然とする見た目少女から脱兎の如く逃げ出した。忘れていたが、AGIは移動速度にも影響があった。
これで撤退はお手の物だ。こうまで受け身な能力があったかと思うような悲惨な形だ。
そういえばいい忘れていたが彼の半年の努力は彼に、麻痺攻撃、毒攻撃、目晦ましのスキルをマックスでとりました。
「俺悪くないのに」
リアルラックの低さには定評がありすぎる彼だ。
必死に逃げ出し枕を涙でぬらしたって悪くは無い、ちなみに彼が次に目指しているのは、毒の効果倍増のスキルである。その次は罠系となっています。
もう彼の姿は涙なしでは見る事が出来ないレベルに成りつつある。
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